S45C(機械構造用炭素鋼)の機械的性質や成分の一覧

2010年8月14日更新

機械構造用の炭素鋼鋼材としては最もポピュラーなものと言えます。熱処理により得られる機械的性質も向上するため、用途に広がりが出てきます。とくに強度が必要な場合に選択される鋼材で、軸やピンなどをはじめ、研削加工においてもよく加工されるものです。汎用性が高く、特別な性質などが必要がないケースではとりあえずS45Cが使われているというのが実情かもしれません。ちなみに、電着砥石のシャンク(台金)にはこのS45Cの生材等が使われる傾向にあります。電着では台座の金属素材とダイヤ(正確にはダイヤとメッキも)との密着が非常に重要となってくるからです。ただこれは密着力のよさもさることながら、S45Cそのものの流通量の多さや価格の手ごろ感も頻繁に使われる要因となっています。丸材や板材など大小さまざまなものが流通している鉄鋼材料です。加工でも特に難度が高いわけでもなく、研削砥石でもcBNでも加工可能です。なお、数字の45は炭素鋼たる所以でもある「炭素」の含有量の代表値を示しています。

S45Cの化学成分(代表値)
材料記号 C Si Mn P S
S45C 0.42〜0.48 0.15〜0.35 0.60〜0.90 0.030以下 0.035以下
S45Cの熱処理温度(焼ならし、焼なまし、焼入れ、焼戻し)
種類 変態温度
(℃)
熱処理温度
(℃)
Ac Ar 焼ならし 焼なまし 焼入れ 焼戻し
S45C 720〜780 750〜680 820〜870空冷 約810炉冷 820から870水冷 550〜650急冷
S45Cの機械的性質(降伏点、引張強さ、伸び、絞り、硬度)
種類 機械的性質
熱処理 降伏点
N/mm2
引張強さ
N/mm2
伸び
%
絞り
%
衝撃値
(シャルピー)
J/cm2
硬度
HBW
S45C 焼きならし 345以上 570以上 20以上 - - 167〜229
焼きなまし - - - - - 137〜170
焼入れ・焼戻し 490以上 690以上 17以上 45以上 78以上 201〜269

構造用炭素鋼の一覧(材料記号)

 

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