S30C(機械構造用炭素鋼)の機械的性質や成分の一覧
S30Cは、いわゆる中炭素鋼で、焼入れや焼き戻しなどの熱処理をすることでそこそこの汎用性をもたせることができます。つぶしがきくタイプの鋼のひとつと言えます。炭素鋼のうち、炭素含有量が一定度合いを超えるとその硬さゆえに切削や加工がしにくくなります。その境界ともいえるラインが、C量が0.3%までと言われていますので、代表値で0.3%となるS30Cがそのボーダーラインといえます。またこの鋼材は半硬鋼に分類されます。規格ではMn(マンガン)の含有量は0.60〜0.90と規定されています。
材料記号 | C | Si | Mn | P | S |
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S30C | 0.27〜0.33 | 0.15〜0.35 | 0.60〜0.90 | 0.030以下 | 0.035以下 |
種類 | 変態温度 (℃) |
熱処理温度 (℃) |
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Ac | Ar | 焼ならし | 焼なまし | 焼入れ | 焼戻し | |
S30C | 720〜815 | 780〜720 | 850〜900空冷 | 約840炉冷 | 850から900水冷 | 550〜650急冷 |
種類 | 機械的性質 | ||||||
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熱処理 | 降伏点 N/mm2 |
引張強さ N/mm2 |
伸び % |
絞り % |
衝撃値 (シャルピー) J/cm2 |
硬度 HBW |
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S30C | 焼きならし | 285以上 | 470以上 | 25以上 | - | - | 137〜197 |
焼きなまし | - | - | - | - | - | 126〜156 | |
焼入れ・焼戻し | 335以上 | 540以上 | 23以上 | 57以上 | 108以上 | 152〜212 |