銅ニッケル合金の種類と特性

2011年1月14日更新

銅とニッケルをベースとした銅合金は、名称が示している通り、色味が白くなるため、特に洋白(洋銀)はその見た目ゆえ、古来から銀の代用品として貨幣などにも使われてきました。外観だけでなく、物理的な性質を見ても強い耐食性を持ち、耐海水性も持ち合せていることから、腹水器管や熱交換器管としても使われています。銅とニッケルの比率の違いにより、以前は銅:ニッケルが90:10、80:20、70:30の三種類のものがありましたが、規格上はさらに種類があります。

白銅|キュプロニッケル
銅は一般に、加工した際の硬化(加工硬化率)が強く、硬度や強度の調整のために活用されるくらいですが、この白銅は比較的硬化しにくいため、圧延や深絞りなどの塑性加工性も良好です。キュプロニッケルともいいます。引張強さや硬さはニッケルの含有量が多いほど大きくなっていきますが、60%をピークに以降は徐々に低下していきます。靭性も大きい材料として知られます。
耐食性については硝酸などの強酸には耐えられませんが、それ以外の酸や海水には耐性があります。高温強度(250℃以上)についても黄銅に比べると高い値を示しますが、これは白銅の中の不純物にもよります。
洋白(洋銀)
白銅はCu-Ni系の銅合金ですが、これにZn(亜鉛)を加えたものが洋白です。銀白色であり、一見すると銅とはわかりづらく、装飾品としても使われてきた素材です。また見た目の色だけでなく、耐疲労強度やばね特性も優秀で、ばねとしても使われています。亜鉛の量が耐食性や強度に影響し、この量が増えるとこれらは弱くなっていきます。

JIS規格に規定のある白銅や洋白の材料記号

伸銅品のうち、白銅や洋白としては下記のC7000番台のものについて定められています。

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