非鉄金属の種類についておしえてください。

2012年8月14日更新

非鉄金属とは、便宜的に鉄を含有していない金属の総称で、何か共通の性質を持っている分類というわけではなく、鉄や鉄鋼材料の使用量が多いため、それに対置する形で作られた概念ともいえます。

鉄を含まない金属はすべてこのカテゴリーで括ることもできるため、アルミニウムやチタン、マグネシウム、リチウムなどの軽金属や、導電性に優れた銅、銀、耐磨耗性や耐腐食に重点を置いたニッケル合金、耐熱性に優れたジルコニウムハフニウム、タングステンをはじめ、亜鉛や鉛、インジウムといったレアメタル、白金や金などの貴金属があげられます。

鉄や鉄鋼材料にない性質を持つもの、鉄鋼材料よりも劣る部分はあるが、何かに特化した性能を発揮するもの、鉄系の材料にはない物性を活かした金属や合金がよく使われています。純度の高い状態で使われる場合のほか、他の添加元素を加えることで、合金として各種性能を上げたものが幅広く実用化しています。

アルミニウム合金

廉価な鉄鋼系に比べると値は上がりますが、加工性のよさ、特に切削性のよさはもちろん、軽さと強度を両立できる金属として知られます。強度は、アルミ合金の種類によっては航空機の筐体に使われるほどのもので、比強度の強さから古くから使われている金属です。比重は鉄の凡そ3分の1程度しかありません。

銅合金

使われ始めた歴史もさることながら、広く日常に浸透している金属材料で、導電性のよさや熱伝導のよさが他の金属に比べても優れています。疲労強度の高い合金もあり、ばね特性に優れたタイプも存在します。種類としては、純銅、黄銅、青銅、白銅、洋白、キュプロニッケル、ベリリウム銅などがあります。

ニッケル合金

ニッケルは元来、海水、アルカリ、酸などへの腐食に強い耐食性で知られ、加工性にも優れた金属です。このニッケルに種々の元素を添加し、商標ともなっているハステロイやモネル、インコネルといった合金は、高温環境下での耐腐食性を発揮する材料として、特殊な環境のもとで活躍しています。金額もはりますが、特定の用途に特化して使われることの多い合金といえます。

チタン合金

軽金属の中でもトップクラスの軽さと強度を両立させた合金で、高温環境でも強度が低下しないことが知られています。低温脆性についても他の合金に比べ、すぐれた低温靭性を持つため、低温化でも強度を維持できる金属材料のひとつです。合金の種類としては、耐食性重視タイプと、機械的強度重視タイプとの分かれています。

マグネシウム合金

鉄の凡そ4分の1程度の比重であり、アルミよりもさらに軽い金属で添加される元素により、性能が変わります。AM系(Mg-Alの合金)、AZ系(Mg-Al-Znの合金)、ZK系(Mg-Zn-Zrの合金)、ZC系(Mg-Cu-Znの合金)など複数の組み合わせの合金が存在します。加工はアルミに似ているといわれますが、切り屑の扱いなどで難儀する材料とされます。

亜鉛合金

一般に、亜鉛純度の高いもののほうが加工性が優れているとされる合金で、ダイカスト用などに使われることもあります。アルミ合金よりも鋳込み温度が低くてすみ、鋳造性に優れた合金とされます。鋳物の強度も比較的強く、4%のアルミを含有したザマック合金が鋳造用としてはよく知られます。亜鉛鋼板としての利用も多い金属です。

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