電鋳（でんちゅう）
電鋳とは、電着に似た製法で作られるダイヤモンド工具の一様式を言います。実用上は、金型をはじめ工具以外の用途のほうが多いようです。
対象となる板にメッキを施し、そこにダイヤモンド砥粒を固着するのは電着と同じです。電着の場合、メッキしたシャンク（台金）ごと工具として使うのに対し、電鋳はここから砥粒のついたメッキ層だけを剥がして利用します。
ダイヤモンド工具としては、半導体に用いるシリコンウエハーの切断等に使われるダイシングブレードのほとんどがこの電鋳ブレードといわれています。これらダイシングブレードの厚みは数十ミクロンしかなく、超高精度のものが要求されるため、研削盤に用いられるダイヤモンド砥石では厚みの制御ができません。現在のところ、切断用の薄刃のダイヤモンドホイールとしては、０．１ｍｍというのが業界で最も薄いタイプのもので、ダイシングブレードはダイヤモンドを用いた砥石の一種ではありますが、これらとは異質のものになります。
