浸炭

2010年6月26日更新

鋼材料の表層だけを硬化させる表面処理の一つで、材料の表面に炭素を浸透させて、炭素量を高める加工のことです。炭素鋼がより耐磨耗性にすぐれた金属となります。 具体的には、元となる炭素鋼を木炭やコークスなどの浸炭剤のなかで加熱します。すると表層部が高炭素となり、さらに熱処理をすることで浸炭部が硬化します。通常、浸炭部以外には、銅メッキや浸炭防止剤を施して必要部分だけを浸炭します。

浸炭時は、炉を使って900℃から950℃で5〜8時間加熱します。こうすると炭素鋼の表面に0.5mm〜1.5mm程度の浸炭層を得ることができます。 すべての材料に使われるわけではなく、炭素鋼のうち、はだ焼き鋼、リンや硫黄を特に少なくした低炭素鋼に使われます。 浸炭後の性質改善のためにニッケル(Ni)やNiとCr(クロム)を添加したものもあります。

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