砥石のバランスを取る

2010年6月26日更新

ダイヤモンドホイールやCBNホイール等の回転して用いるタイプの砥石で、回転する中心軸の釣り合いを保つよう、ホイールの重さや形状のバランスを保つこと、あるいはその作業のことを言います。振れとあわせて、高い精度の加工には必須検討項目です。JIS B 4131には、ダイヤモンドホイールの外径にあわせて、静的不釣合いの値がグラム単位で規程されています。バランスをとるのは、砥石の重心がわずかでもずれていると、回転中の遠心力により振動が発生するため、これが振れやたたきなどとなり、精度のよい加工が困難になるからです。

静釣り合いを求める方法としては、フランジをセットしたダイヤモンドホイールにアーバーをはめ込み、平行に設置された2本の軸の上にのせて計測します。バランスを調整する方法としては、ダイヤモンドホイールの側面部分に小さな凹状の穴を作って質量を調整する方法や、フランジに元々ついているバランスウェイトの位置をずらす、などの方法があります。バランスウェイトは、フランジの溝に組み込まれていますが、締め付けネジによって位置を自由に動かすことができます。

一般に、ダイヤモンド砥石の直径が小さい、いわゆる小径タイプの砥石ではあまり問題とならないことが多いですが、これも加工の要求精度によってはバランス取りが必要です。砥石はどんなに精密なものであっても、形状的・質量的にも完全に釣り合いはとれていません。この不釣合い質量によって、遠心力が発生するため振動の原因となります。静釣り合い、動釣り合いなどの方法でバランスをとるのはこれが理由です。外径の大きな砥石ほど、バランスの釣り合いは保つ必要があります。ガラスでチッピングがよく起きるときにも見直す必要があります。砥石メーカーによっても異なりますが、バランスは概ね1〜0.2グラム程度に設定されていることが多いようです。

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