アルカンサス砥石(アーカンサス)
手作業で用いる砥石には、水を含ませて研磨していく水砥石と、油を潤滑油として研磨する油砥石の二種類があります。このうちの油砥石に分類され、アーカンサス砥石またはアルカンとも言われる天然砥石です。
人造砥粒ではないため、粗さはそんなに厳密なものではありませんが、粗目から細目まで揃っています。米国アーカンソー州でとれる天然の岩石(ノバキュライト、硅石)を主原料とした砥石で、砥粒に相当する部分が石英(水晶)ともいえる砥石です。このため、手作業用の砥石としてはかなりの硬さがあります。主として職人が用いたり、一般の使用例でもカスタムナイフをはじめ、一味違った研ぎを求めるときに使われる砥石ですが、天然の岩石からとれるため、品質は人造砥石ほど均質ではありません。また原料となる原石が貴重で、数に限りがあるとされ、本物のアルカンサス砥石にはそれなりの価格がついています。
工業用の人造砥石ではなく、日本で言うところの天然砥石に分類されるタイプの砥石です。長い時間をかけて自然の力が作り出した逸品と言えます。
- 砥石の用語集へ戻る
- オイルストーン(油砥石)
- 天然砥石の種類
- 天然砥石の選び方について
- 天然砥石の面直しについて
- 包丁の砥ぎ方と砥石について