WA砥石とは何ですか

2011年4月8日更新

WA砥石とは、砥粒にホワイトアランダムと呼ばれるアルミナ(酸化アルミニウム)の一種を用いた砥石のことです。砥粒であるアルミナの化学組成はAl2O3で、粉末状となったアルミナと結合材となるボンド、フィラー(充填剤)などを型に入れて、焼き固めて作られます。なお、アルミナ系の砥粒には他にA(褐色アルミナ)、HA(解砕型アルミナ) 、PA(淡紅色アルミナ)などがあり、それぞれA砥石、HA砥石、PA砥石と呼ばれることもあります。HAは単結晶型のアルミナ、PAは靭性に優れたアルミナ、Aはすべてのアルミナ系の基本となるタイプです。

なお、砥石は砥粒の種類や性質のみならず、ボンドに何を使うのかによって性能も大きく変わりますが、一般にはビト(ビトリファイドボンド:長石やフリット等の原料とするガラス質、セラミック質のボンド)や、レジン(樹脂を原料とするボンド)、ゴムなどを結合材として用います。

高速回転させて使う円盤状のものは「研削砥石」と呼ばれ、筒の内面などを研削研磨するためにブロック状に焼成してスティック状態に切り分けたものを「ホーニング砥石」と呼んだりもします。ダイヤモンド等に比べると極めて安価な砥石で、損耗することを考慮しても使い勝手のよい代表的な砥石の一つと言えます。分類上は、一般砥粒であるWAを使っていることから、一般砥石とも呼ばれます。特殊な形状のWA砥石も機械や業界によっては使われているようです。

なお、WAは炭素鋼、合金鋼、工具鋼、ステンレス鋼などの鉄鋼材料によく馴染み、一般砥粒のなかでは特に「切れ味」に優れた砥石として知られ、特に焼入れ鋼や工具鋼などの比較的加工しづらいものに対しても効果を発揮します。ドレッシングやツルーイングには単石ドレッサーがよく合いますが、研削砥石同士をこすり合わせてもドレスと形状を整えることはできます。この場合、粒度は一段階以上粗いものをあてます。

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