ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材(SNCM材)の用途、機械的性質、成分の一覧

2010年10月6日更新

機械構造用合金鋼の7鋼材の中では最も機械的性質に優れた材料ですが、高価なニッケルが添加されており、コストも最も高くなります。特殊元素として、ニッケル・クロム・モリブデンの三種が入っていることから、焼入硬化性、靭性が大きくなります。

なお、SNCM材の研削もしくは研磨にはWA系の砥石(アルミナ系)や、CBN砥石が使われます。

熱処理により、高強度に調整可能なことから航空機に多用されています。大型部品、エンジン部品としても使われます。合金鋼のなかでは最高クラスの強度を持ちますが、溶接性はよくありません。また、付加価値が高い分、加工も容易ではありません。

ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材(SNCM材)はJIS規格内では11種類について規定があります。

この素材の研削にはCBNホイールか、WA系の研削砥石が適しています。

「JIS G 4053 機械構造用合金鋼鋼材」に規定のあるニッケルクロムモリブデン鋼鋼材(SNCM材)の材料記号

ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材(SNCM)の材料記号の新旧対照表

旧規格はJIS G4103。廃止後、JIS G 4053へ統合。

1979年 1965年 1953年 1950年
SNCM431 SNCM1 SNCM1 SNCM1
SNCM625 SNCM2 SNCM2 SNCM2
SNCM630 SNCM5 SNCM5 -
SNCM240 SNCM6 SNCM6 -
廃止 SNCM7 SNCM7 -
SNCM439 SNCM8 SNCM8 SNCM3A
SNCM447 SNCM9 SNCM9 -
SNCM220 SNCM21 SNCM21 -
SNCM415 SNCM22 SNCM22 -
SNCM420 SNCM23 SNCM23 はだ焼鋼
G4201-50
SNCM815 SNCM25 SNCM25 SH110
SNCM616 SNCM26 - -
- - SNCM24 SNCM4B
- - - SNCM3B
- - - SNCM4A

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