シリコーンゴム(VMQ、PVMQ、FVMQ)の成分、用途、特性、物性(比重、耐熱性、硬度)、耐薬品性について
耐熱性と耐寒性を兼ねそなえ、カバーできる温度範囲が広いゴムで耐油性にも優れています。零下120度近くまで耐寒性を持つ合成ゴムは他になく、耐熱性についても280度程度まであるため、これらの性質が必要な時にはうってつけの材料です。また耐溶剤性、耐オゾン性、耐侯性にも優れています。劣化しなければ、ゴムとしては非粘着性のものになります。電気的特性にも優れており、安全面からも医療用として良く使われています。ガス透過性についてもゴムの中ではトップです。欠点としては、フッ素ゴムに次ぐ価格の高さや、機械的強度の弱さ等があげられます。また強酸や強アルカリ、シリコーンオイル等には弱い性質を持ちます。密封状態での加熱や、高温塩素水にきわめて弱いゴムです。用途は医療用の他、電気絶縁用途や工業用ロール、オイルシール、ガスケット、パッキン、防振ゴム、耐熱耐寒が求められる部材に使われます。
| 成分、構造 | 有機ポリシロキサン | |
|---|---|---|
| 純ゴムの性質 | 比重 | 0.95から0.98 |
| ムーニー粘度 ML1+4(100℃) | 液状 | |
| 物理的性質および耐性 | 硬度の範囲(可能な範囲。JIS硬さ) | 30から90 |
| 引張強さ(kgf/cm2) | 30から120 | |
| 伸び(%) | 500から50 | |
| 反発弾性 | 優 | |
| 引き裂き強さ | 悪い〜あまり良くない | |
| 耐摩耗性 | 悪い〜あまり良くない | |
| 耐屈曲亀裂性 | 悪い〜良 | |
| 耐熱性(使用可能な温度の範囲、℃) | -120から280 | |
| 耐老化性 | 優 | |
| 耐光性 | 優 | |
| 耐オゾン性 | 優 | |
| 耐炎性 | 悪い〜良 | |
| 電気絶縁性(Ω・cm)(体積固有抵抗) | 1011から1016 | |
| ガス透過性(cc・cm/cm2・sec・atm) | 400 | |
| 耐放射線性 | あまり良くない〜優 | |
| 耐油性、耐溶剤性 | ガソリン、軽油 | 悪い〜あまり良くない |
| ベンゼン、トルエン | 悪い〜あまり良くない | |
| トリクレン | 悪い〜良 | |
| アルコール | 優 | |
| エーテル | 悪い〜あまり良くない | |
| ケトン(MEK) | 良 | |
| 酢酸エチル | あまり良くない〜優 | |
| 耐酸性、耐アルカリ性 | 水 | 良 |
| 有機酸 | 良 | |
| 高濃度無機酸 | あまり良くない | |
| 低濃度無機酸 | 良 | |
| 高濃度アルカリ | 優 | |
| 低濃度アルカリ | 優 | |
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