クロロプレンゴム（CR）の成分、用途、特性、物性（比重、耐熱性、硬度）、耐薬品性について
ゴム弾性については天然ゴムに近い性能を持たせることも可能なゴムで、耐侯性や耐オゾン性に関して優れています。耐油性についてもそこそこあるため、使用シーンは広いゴムと言えます。また接着性や加工性にも優れています。欠点としては、電気絶縁性や耐水性が劣る等の点がありますが、中温域でも長時間放置するとゴムの弾性を失って樹脂化してしまうため、注意が必要です。バランスはどのパラメータもよいですが、特化した性能がどこにもないため、倦厭されることもあります。比重が大きいため、これがデメリットとなることもあります。
用途としては、コンベアベルトや電線の被覆、防振ゴム、窓枠や接着剤、塗料などの工業製品があげられます。なお、クロロプレンゴムの歴史は古く、1931年にネオプレンの名称で販売されています。
| 成分、構造 | ポリクロロプレン | |
|---|---|---|
| 純ゴムの性質 | 比重 | 1.15から1.25 |
| ムーニー粘度 ML1+4（100℃） | 45から120 | |
| 物理的性質および耐性 | 硬度の範囲（可能な範囲。JIS硬さ） | 10から90 |
| 引張強さ（kgf/cm2） | 50から250 | |
| 伸び（%） | 1000から100 | |
| 反発弾性 | 優 | |
| 引き裂き強さ | 良 | |
| 耐摩耗性 | 良〜優 | |
| 耐屈曲亀裂性 | 良 | |
| 耐熱性（使用可能な温度の範囲、℃） | −60から120 | |
| 耐老化性 | 優 | |
| 耐光性 | 優 | |
| 耐オゾン性 | 優 | |
| 耐炎性 | 良 | |
| 電気絶縁性（Ω・cm）（体積固有抵抗） | 1010から1012 | |
| ガス透過性（cc・cm/cm2・sec・atm） | 3.0 | |
| 耐放射線性 | あまり良くない〜良 | |
| 耐油性、耐溶剤性 | ガソリン、軽油 | 良 |
| ベンゼン、トルエン | 悪い | |
| トリクレン | 悪い | |
| アルコール | 優 | |
| エーテル | 悪い〜あまり良くない | |
| ケトン（MEK） | あまり良くない〜良 | |
| 酢酸エチル | 悪い | |
| 耐酸性、耐アルカリ性 | 水 | 優 |
| 有機酸 | 悪い〜あまり良くない | |
| 高濃度無機酸 | 良い | |
| 低濃度無機酸 | 優 | |
| 高濃度アルカリ | 優 | |
| 低濃度アルカリ | 優 | |
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