ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の物性と用途、特性について

2011年6月17日更新

熱可塑性プラスチックの一つで、融点を134〜169℃の範囲に持つ高強度の樹脂です。常用できる耐熱温度は150℃前後と言われ、熱安定性が良好な素材です。フッ素系樹脂の中でもトップクラスの機械艇強度を持ちます。耐薬品性もよく、加工性に優れ、難燃性で、燃えても発煙が少なくてすみます。電気特性もよく、強誘電性、圧電性に優れます。耐侯性にも優れており、放射線にも強い樹脂です。

用途としては、半導体製造装置部品、食品製造機械部品、産業機械部品、医療機器部品などの分野で使われ、、ボルト、ライニング、バルブやキャップ、ガイドレール、ローラー、釣り糸や弦の素材、センサーとしても使われます。

ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の物性、特性
種類 無充填
物理的性質 密度(g・cm^-3) 1.75から1.78
融点(℃) 結晶性 171
非晶性
透明度 透明〜半透明
吸水率(%)3mm、24h 0.04
成形特性 成形温度範囲(℃)
成形圧力範囲(kgf・cm^-2)
成形収縮率(%) 3.0
機械的性質 引張強さ(kgf・mm^-2) 3.6から5.7
最大伸び率(%) 100から300
圧縮強さ(破壊、降伏)(kgf・mm^-2) 6.8
曲げ強さ(破壊、降伏)(kgf・mm^-2)
引張弾性率(kgf・mm^-2) 84.8
圧縮弾性率(kgf・mm^-2) 84.4
曲げ弾性率(kgf・mm^-2) 141
アイゾット衝撃値(kgf・cm・cm^-1) 19.6から21.8
硬度(硬さ) ロックウェル
ショア 80(D)
熱的性質 熱伝導率(10^-4cal・s^-1cm^-2)(K・cm^-1)^-1 3.0
比熱(cal・K^-1g^-1) 0.33
線熱膨張率(10^-5K^-1) 8.5
熱変形温度(℃)
18.6kgf・cm^-2
4.6kgf・cm^-2
90
電気的性質 体積抵抗率(Ω・cm)(23℃、50%RH相対湿度) 2×1014
絶縁強さ(短時間法)(3.18mm)/kV・mm-1 10.2
比誘電率(εγ 60Hz 8.4
MHz 6.3
誘電正接(tanδ) 60Hz 0.040
MHz 0.17
化学的性質、耐薬品性 燃焼性、速度(mm・min-1
日光の影響
弱酸の影響
強酸の影響 特殊硫酸に侵される
弱アルカリの影響
強アルカリの影響
有機溶剤の影響 ほとんどに抵抗

>このページ「ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の物性と用途、特性について」の先頭へ

加工材料の性質と特徴(目次)へ戻る
「プラスチックの種類と用途、物性について」へ戻る

ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の物性と用途、特性についての関連記事とリンク

 

このサイトについて

研削・研磨に関わる情報を集め、提供しています。「専門的でわかりにくい」といわれる砥石の世界。わかりやすく役に立つ情報掲載を心がけています。砥石選びや研削研磨でお困りのときに役立てていただければ幸いです。toishi.uijin.com@管理人

ダイヤモンド砥石のリンク集

研磨や研削に関わりのあるリンクを集めています。研削・切削液、研削盤、砥石メーカー各社のサイトなど。関連分野で相互リンクご希望の方はお問い合わせください。

研磨、研削、砥石リンク集