ポリプロピレン(PP)の物性と用途、特性について
組成としてはプロピレンを重合させた樹脂で、熱可塑性プラスチックの一つです。常用の耐熱温度は100〜140℃で、プラスチックの中では最も比重が小さく、0.9〜0.91となっています。耐熱性が比較的良好で、機械的強度にも優れた素材です。また表面に艶があり、光沢にも優れた素材です。着色も可能です。生産量も多い材料で、ポリエチレンに次ぐ量が生産されていると言われています。
接着や印刷には不向きですが、機械的性質(引っ張り強度、圧縮強度、衝撃強度)に優れており、表面硬度も高く、耐摩耗性もある素材です。耐熱温度が高いため、電子レンジ用の容器としても使われます。
酸性やアルカリ性の溶液には耐性を持ちますが、酸化性酸には侵されます。なお、日光に当たると白化していきます。
用途は、自動車部品、家電部品、包装フィルム、食品容器、キャップ、トレイ、コンテナ、パレット、衣装函、繊維、医療器具、日用品、ごみ容器、射出成型品全般等。
フィラー(充填材)、種類 | 非変性 | グラスファイバー(GF)充填40% | ||
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物理的性質 | 密度(g・cm^-3) | 0.90から0.91 | 1.22から1.23 | |
融点(℃) | 結晶性 | 168 | 168 | |
非晶性 | - | - | ||
透明度 | 透明から不透明 | 不透明 | ||
吸水率(%)3mm、24h | <0.01から0.03 | 0.01から0.05 | ||
成形特性 | 成形温度範囲(℃) | 射出、222から306 | 射出、222から306 | |
成形圧力範囲(kgf・cm^-2) | 704から1410 | 703から1410 | ||
成形収縮率(%) | 1.0から2.5 | 0.2から0.8 | ||
機械的性質 | 引張強さ(kgf・mm^-2) | 3.0から3.8 | 4.2から10.2 | |
最大伸び率(%) | 200から700 | 2.0から3.6 | ||
圧縮強さ(破壊、降伏)(kgf・mm^-2) | 3.8から5.6 | 3.8から4.9 | ||
曲げ強さ(破壊、降伏)(kgf・mm^-2) | 4.2から5.6 | 4.9から7.7 | ||
引張弾性率(kgf・mm^-2) | 112から158 | 316から633 | ||
圧縮弾性率(kgf・mm^-2) | 105から211 | - | ||
曲げ弾性率(kgf・mm^-2) | 120から176 | 267から598 | ||
アイゾット衝撃値(kgf・cm・cm^-1) | 2.7から12.0 | 5.4から27.2 | ||
硬度(硬さ) | ロックウェル | R80から110 | R110 | |
ショア | - | - | ||
熱的性質 | 熱伝導率(10^-4cal・s^-1cm^-2)(K・cm^-1)^-1 | 2.8 | − | |
比熱(cal・K^-1g^-1) | 0.46 | - | ||
線熱膨張率(10^-5K^-1) | 5.8から10.2 | 2.9から5.2 | ||
熱変形温度(℃) 18.6kgf・cm^-2 4.6kgf・cm^-2 |
69から77 | 128から167 | ||
電気的性質 | 体積抵抗率(Ω・cm)(23℃、50%RH相対湿度) | >1016 | − | |
絶縁強さ(短時間法)(3.18mm)/kV・mm-1 | >28 | − | ||
比誘電率(εγ) | 60Hz | 2.2から2.6 | 2.37 | |
MHz | 2.2から2.6 | 2.38 | ||
誘電正接(tanδ) | 60Hz | <0.0005 | 0.0022 | |
MHz | <0.0005から0.0018 | 0.0035 | ||
化学的性質、耐薬品性 | 燃焼性、速度(mm・min-1) | 19.1から21.1 | 19.1から21.1 | |
日光の影響 | 白化 | 白化 | ||
弱酸の影響 | 無し | |||
強酸の影響 | 酸化性酸に侵される | |||
弱アルカリの影響 | 無し | |||
強アルカリの影響 | 無し | |||
有機溶剤の影響 | 195から204℃以下で耐える | 80℃以下で耐える |
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