ポリプロピレン(PP)の物性と用途、特性について

2011年6月23日更新

組成としてはプロピレンを重合させた樹脂で、熱可塑性プラスチックの一つです。常用の耐熱温度は100〜140℃で、プラスチックの中では最も比重が小さく、0.9〜0.91となっています。耐熱性が比較的良好で、機械的強度にも優れた素材です。また表面に艶があり、光沢にも優れた素材です。着色も可能です。生産量も多い材料で、ポリエチレンに次ぐ量が生産されていると言われています。

接着や印刷には不向きですが、機械的性質(引っ張り強度、圧縮強度、衝撃強度)に優れており、表面硬度も高く、耐摩耗性もある素材です。耐熱温度が高いため、電子レンジ用の容器としても使われます。

酸性やアルカリ性の溶液には耐性を持ちますが、酸化性酸には侵されます。なお、日光に当たると白化していきます。

用途は、自動車部品、家電部品、包装フィルム、食品容器、キャップ、トレイ、コンテナ、パレット、衣装函、繊維、医療器具、日用品、ごみ容器、射出成型品全般等。

ポリプロピレン(PP)の物性
フィラー(充填材)、種類 非変性 グラスファイバー(GF)充填40%
物理的性質 密度(g・cm^-3) 0.90から0.91 1.22から1.23
融点(℃) 結晶性 168 168
非晶性 - -
透明度 透明から不透明 不透明
吸水率(%)3mm、24h <0.01から0.03 0.01から0.05
成形特性 成形温度範囲(℃) 射出、222から306 射出、222から306
成形圧力範囲(kgf・cm^-2) 704から1410 703から1410
成形収縮率(%) 1.0から2.5 0.2から0.8
機械的性質 引張強さ(kgf・mm^-2) 3.0から3.8 4.2から10.2
最大伸び率(%) 200から700 2.0から3.6
圧縮強さ(破壊、降伏)(kgf・mm^-2) 3.8から5.6 3.8から4.9
曲げ強さ(破壊、降伏)(kgf・mm^-2) 4.2から5.6 4.9から7.7
引張弾性率(kgf・mm^-2) 112から158 316から633
圧縮弾性率(kgf・mm^-2) 105から211 -
曲げ弾性率(kgf・mm^-2) 120から176 267から598
アイゾット衝撃値(kgf・cm・cm^-1) 2.7から12.0 5.4から27.2
硬度(硬さ) ロックウェル R80から110 R110
ショア - -
熱的性質 熱伝導率(10^-4cal・s^-1cm^-2)(K・cm^-1)^-1 2.8
比熱(cal・K^-1g^-1) 0.46 -
線熱膨張率(10^-5K^-1) 5.8から10.2 2.9から5.2
熱変形温度(℃)
18.6kgf・cm^-2
4.6kgf・cm^-2
69から77 128から167
電気的性質 体積抵抗率(Ω・cm)(23℃、50%RH相対湿度) >1016
絶縁強さ(短時間法)(3.18mm)/kV・mm-1 >28
比誘電率(εγ 60Hz 2.2から2.6 2.37
MHz 2.2から2.6 2.38
誘電正接(tanδ) 60Hz <0.0005 0.0022
MHz <0.0005から0.0018 0.0035
化学的性質、耐薬品性 燃焼性、速度(mm・min-1 19.1から21.1 19.1から21.1
日光の影響 白化 白化
弱酸の影響 無し
強酸の影響 酸化性酸に侵される
弱アルカリの影響 無し
強アルカリの影響 無し
有機溶剤の影響 195から204℃以下で耐える 80℃以下で耐える

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