ニトロセルロース(硝酸セルロース)の物性と用途、特性について

2011年6月17日更新

硝酸セルロース(CN)はニトロセルロースともいいます。セルロースを硝酸と硫酸との混酸で処理して作られる熱可塑性の樹脂で、繊維素系に分類されます。融点を171℃付近に持ちます。速乾性に優れており、フィルム等にも使われます。またこの材料を原料にしたセルロイドは世界でも最古の合成樹脂です。難点としては燃えやすい点で、塗料やフィルムのほか火薬に使われている材料でもあります。

ニトロセルロース(硝酸セルロース)の物性、特性
種類 成形品
物理的性質 密度(g・cm^-3) 1.35から1.40
融点(℃) 結晶性 171
非晶性
透明度 透明〜半透明〜不透明
吸水率(%)3mm、24h 1.0から2.0
成形特性 成形温度範囲(℃)
成形圧力範囲(kgf・cm^-2)
成形収縮率(%)
機械的性質 引張強さ(kgf・mm^-2) 4.9から5.6
最大伸び率(%) 40から45
圧縮強さ(破壊、降伏)(kgf・mm^-2) 17.2から24.6
曲げ強さ(破壊、降伏)(kgf・mm^-2) 6.3から7.7
引張弾性率(kgf・mm^-2) 134から172
圧縮弾性率(kgf・mm^-2)
曲げ弾性率(kgf・mm^-2)
アイゾット衝撃値(kgf・cm・cm^-1) 27から38
硬度(硬さ) ロックウェル R95から115
ショア
熱的性質 熱伝導率(10^-4cal・s^-1cm^-2)(K・cm^-1)^-1 5.5
比熱(cal・K^-1g^-1) 0.3から0.4
線熱膨張率(10^-5K^-1) 8から12
熱変形温度(℃)
18.6kgf・cm^-2
4.6kgf・cm^-2
59から70
電気的性質 体積抵抗率(Ω・cm)(23℃、50%RH相対湿度) 10〜15×1010
絶縁強さ(短時間法)(3.18mm)/kV・mm-1 11.8から23.6
比誘電率(εγ 60Hz 7.0から7.5
MHz 6.4
誘電正接(tanδ) 60Hz 0.09から0.12
MHz 0.06から0.09
化学的性質、耐薬品性 燃焼性、速度(mm・min-1
日光の影響 わずか
弱酸の影響 わずか
強酸の影響 分解
弱アルカリの影響 わずか
強アルカリの影響 分解
有機溶剤の影響 一般に溶解、軟化する

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