アセチルセルロース(酢酸セルロース)の物性と用途、特性について

2011年6月17日更新

酢酸セルロース(CA)またはアセチルセルロースは熱可塑性プラスチックのうち繊維素系に分類される樹脂で歴史の古い素材の一つです。天然の高分子材料であるセルロースを使うため、完全な合成樹脂ではありません。このため、天然素材にこだわりのある製品等で使われる等最近注目されています。

耐侯性に優れており、直射日光や紫外線下に長期間曝されても劣化しません。耐薬品性については繊維素系(セルロース誘導体)のなかでも最も優れています。電気特性も優れており、絶縁材料として使うことができます。

主な用途としては、カーテン地、フィルム、シート、織物、コーティング用の膜、塗料等があります。

アセチルセルロース(酢酸セルロース)の物性、特性
種類 成形品
物理的性質 密度(g・cm^-3) 1.22から1.34
融点(℃) 結晶性 230
非晶性
透明度 透明〜半透明〜不透明
吸水率(%)3mm、24h 1.7から6.5
成形特性 成形温度範囲(℃) 射出:168から254
成形圧力範囲(kgf・cm^-2) 562から2250
成形収縮率(%) 0.3から0.8
機械的性質 引張強さ(kgf・mm^-2) 1.3から6.3
最大伸び率(%) 6〜70
圧縮強さ(破壊、降伏)(kgf・mm^-2) 1.4から28.2
曲げ強さ(破壊、降伏)(kgf・mm^-2) 1.4から12.5
引張弾性率(kgf・mm^-2) 50から281
圧縮弾性率(kgf・mm^-2)
曲げ弾性率(kgf・mm^-2)
アイゾット衝撃値(kgf・cm・cm^-1) 2.2から28.3
硬度(硬さ) ロックウェル R34〜125
ショア
熱的性質 熱伝導率(10^-4cal・s^-1cm^-2)(K・cm^-1)^-1 4.0から8.0
比熱(cal・K^-1g^-1) 0.3から0.42
線熱膨張率(10^-5K^-1) 8から18
熱変形温度(℃)
18.6kgf・cm^-2
4.6kgf・cm^-2
43から90
電気的性質 体積抵抗率(Ω・cm)(23℃、50%RH相対湿度) 1010〜1014
絶縁強さ(短時間法)(3.18mm)/kV・mm-1 9.8から23.6
比誘電率(εγ 60Hz 3.5から7.5
MHz 3.2から7.0
誘電正接(tanδ) 60Hz 0.01から0.06
MHz 0.01から0.10
化学的性質、耐薬品性 燃焼性、速度(mm・min-1
日光の影響 わずか
弱酸の影響 わずか
強酸の影響 分解
弱アルカリの影響 わずか
強アルカリの影響 膨張
有機溶剤の影響 一般に溶解、軟化する

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