ダイヤモンドのインクルージョンとは

2010年6月26日更新

ある物質に混入する内包物のことを言います。特に工業的に使われる人工ダイヤモンド(合成ダイヤモンド)では、このインクルージョンの種類や量によってダイヤモンドの性能が大きく変わります。

ダイヤモンド工具には天然ダイヤも使われますが、現在のダイヤモンドホイールの大半は、合成ダイヤになります。これは黒鉛をおおむね4万から7万気圧程度の高圧下、1400から1600度の高温下で触媒とともにペレット状にし、それを溶かしてダイヤモンドを回収することで得られます。この触媒が、インクルージョンとして合成ダイヤモンドには混入しています。

触媒(溶媒金属)には、インコネル、コバルト、ニクロム、ニッケル、マンガン、鉄、ロジウム、白金、クロムなどが使われます。合成ダイヤモンドに混入するインクルージョンは、第8金属が多いですが、砥石での高速高温下での研削中、ダイヤモンドも高温になるため、内部に入っているこれらの金属が熱膨張によってダイヤを内側からも破砕させます。砥石で用いられるダイヤは加工中に微小破砕を起こすことで切れ味を確保しますので、このインクルージョンの種類や量によってダイヤモンドの品質が決まってきます。

もっとも、ダイヤモンドがインクルージョンの内容によって品質や価格が変わるのは工業用途に限らず、天然ダイヤモンドについても同様です。より不純物が少ないものが高値で取引されたり、あるいは稀少な色をだす不純物がわずかに混入したダイヤモンドもあり、宝飾の世界でも関わりの深い現象と言えます。

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