銅合金の強度、機械的性質について

2011年1月19日更新

他の金属材料と同様に、銅合金も添加した金属の種類や量、時効硬化や加工硬化などによって引張強さや曲げ、伸び、耐力、硬度など機械的性質は大きく変化します。

特に強度の高いものでは、ベリリウム銅の1000〜1300N/mm2や、チタン銅の800〜1000N/mm2、コルソン合金の700〜1000N/mm2など相当強い材料もあり、銅=やわらかいというイメージと大きなギャップがあります。最も、銅を材料として選ぶという場合、導電性に着目されていることが多いですが、耐食性や耐疲労性、ばね特性にも優れた性能を発揮するタイプの銅合金もあります。

銅合金の強化メカニズムは、析出強化と固溶強化の2種類あり、固溶強化タイプのものとしては、黄銅(真鍮)、りん青銅、白銅、洋白などになります。析出強化タイプは、固溶強化型のものよりもさらに強度が増す特徴があり、高銅合金系がこれに相当し、一例としては、ベリリウム銅やチタン銅、コルソン合金、クロム銅、ジルコニウム銅などがあります。

金属材料全般についても言えることですが、強度が高いものは、材料がすべり変形を起こしにくいもの、つまり転位移動を起こしにくいものということになります。純度の高い銅に比べて、合金元素を加えたもののほうが強度が上がるのは、この元素が転移移動を抑える働きをするからです。析出強化とは、時効処理や熱処理などによって金属の表面に固い物質が浮き上がることで対象の強度を上げるタイプで、温度の下げ方(急冷、徐冷)によって浮き上がり方が異なってきます。

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