ステンレス鋼(SUS)の表面処理、表面仕上げの種類について:JIS規格、ANSI

2009年9月14日更新

ステンレスの表面には様々な仕上げ処理を施すことが可能で、いくつの表面仕上げについてはJISやAISIでも規格が定められています。スクラッチ一つない鏡面仕上げから、逆に縦のスクラッチ線を模様のように付けたヘアライン仕上げ、梨地肌のようなブラスト仕上げ、化学発色、メッキ仕上げ、エンボス、エッチング、ドライコーティング、各粒度(研磨ベルト)での研磨仕上げ等、多彩な表面模様をもつステンレスですが、そこからさらに研磨などの加工を行う場合、どのような表面処理が施されたものなのか、あるいは表面仕上げなのか確認する必要があります。

特にステンレスの研磨をはじめる場合、出発材料の表面仕上げの種類によって、砥石の粒度の選定のほか、砥石自体の選定にも関係してきます。ステンレスの板材や帯材は、特に材料の厚みによってピンホールがどれくらいあるのか変わることがありますので、最初に使用する砥石もこれにあわせて選択することになります。

ステンレス鋼の表面処理、表面仕上げの一例
No.1(ナンバーワン材) 熱間圧延・熱処理後、酸洗などを行って、ステンレス表面についた酸化スケールなどを除去したものをいいます。(JIS, AISI)
No.2D 冷間圧延後、熱処理・酸洗したものをいいます。(JIS, AISI)
No.2B(ツービー材) 冷間圧延後、熱処理・酸洗したものに、軽く冷間圧延して光沢を出したものをいいます。(JIS, AISI)
No.3(ナンバースリー) 2D材もしくは2B材を粒度100から120番の研磨ベルトで研磨したものをいいます。(JIS, AISI)
No.4 2D材もしくは2B材を粒度150から180番の研磨ベルトで研磨したものをいいます。(JIS, AISI)
#240 2D材もしくは2B材を粒度240番程度の研磨ベルトで研磨したステンレスのことをいいます。(JIS)
#400 2B材を400番のバフ研磨で仕上げたステンレスです。(JIS)
BA  冷間圧延後、光輝熱処理を行ったもので、光沢を上げるために軽い冷間圧延を行ったものです。(JIS)
HL(ヘアライン) 150から240番程度の研磨ベルトで、髪の毛のように長く直進する模様をつけたものをいいます。 (JIS)
No.7 グラインダーをかけた面を600番のバフで研磨したもの(AISI)
No.8(ナンバーエイト) 段階的に細かい粒度で研磨していき、最後はバフで仕上げた鏡面仕上げのことです。(AISI)
なお、JIS規格で定められたステンレス鋼の表面仕上げは下記の6つになります。
No.1 熱間圧延後、熱処理、酸洗又はこれに準じる処理を行って仕上げたもの
No.3 JIS R 6010によるP100〜P120まで研磨して仕上げたもの
No.4 JIS R 6010によるP150〜P180まで研磨して仕上げたもの
#240 JIS R 6010によるP240まで研磨して仕上げたもの
#320 JIS R 6010によるP320まで研磨して仕上げたもの
#400 JIS R 6010によるP400まで研磨して仕上げたもの

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