切削加工できないものでも、研削加工はできるか|切削・研削加工と硬度の関係

2011年1月2日更新

単一の刃で削る切削加工

バイトなどでの切削作業は、刃物でものを削る動きであり、単一の刃による加工になります。したがって刃がこぼれてしまったり、欠けてしまえば加工はできません。刃がワークに勝つか負けるかといった世界であり、非常に硬い素材の加工時には注意を要します。一般には、HRC60を超えると、切削での加工が難しくなってくると言われますが、これは硬さだけでなく、その材料の性質も大いに関係しています。硬くて脆い材料であれば、硬度測定上は高い数字を出していても切削可能なこともあります。硬度は圧子や鋼球を対象に押し付けて、そのくぼみで測定するものが多い為、硬度負けしている=切削不可能とはならない場合もあります。ただ、あくまで刃はワークよりも硬いというのが原則です。

無数の刃で少しずつ削る研削加工

一方で研削の場合は、砥石を用いるため単一の刃ではなく、砥石の表面から出ている無数の砥粒の刃によって削り、かつこれらの刃は「欠け」と「生えかわり」(自生作用)を繰り返しつつ、切れ味を維持するというメカニズムを持ちます。切削用のバイトやエンドミルなどは硬さでワークに負けるわけにはいきませんが、砥石の場合は砥粒の硬さがワークに負けていても加工が可能です。もちろん、ダイヤモンドやcBNなどの高硬度なものを用いたほうが効率的な加工が可能ですが、コストやワーク、加工性状によってはこれらが適さない場合もあるため、万能ではありません。より硬いワークを加工するとき、切削が難しいようであれば研削で加工可能なケースもありますので、砥石での加工はとにかく硬いものでもできる場合があるという点は覚えておいて損はないと思います。

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