ダイヤモンドホイールの価格について

2012年5月3日更新

工作機械(研削盤)などで使う精密加工用のダイヤモンドホイールの価格は、相場があってないようなもので、メーカーや取扱商社でも、売り先によって価格を変えているケースも多く、一概に言いづらい部分があります。特に、消耗工具類の中でも、製品が一品一様に近い、いわゆる受注生産品かつ特注仕様のものも珍しくないため、同じ形状やサイズでも価格の違いについて合理的な理由が存在することが多いです。なお、ホームセンター等でも入手可能な電着品や溶着品で、塗装の剥離や施工での利用を目的にしたダイヤモンドホイールの単価はこうした精密加工用の5分の1ないしは4分の1以下の価格です。目的が違うため、精度や造りも違うものになります。また、研削砥石も特殊なものを除くと、基本的にダイヤモンドホイールよりは安い価格で手に入ります。

価格に影響する要素としては、以下があげられます。

砥層の体積、集中度

砥層は砥石の正味の部分(ボンドやダイヤ等の砥粒が入っている部分)で、ダイヤモンドホイールだと厚みがXで示される部分です。集中度はダイヤモンドを入れる量です。どちら使用するダイヤモンドの量に直結する部分になりますが、こうした超砥粒ホイールの場合、ダイヤモンドやCBNといった砥粒の費用が占める割合が結構大きくなります。

精度(寸法公差)

ホイールそのものの精度や許容できる寸法公差を通常品よりも厳しくした場合、その度合いによって価格が上がります。特に精度の厳しいものだと、台金部分の熱膨張なども勘案することがあります。

台金

アルミ合金がほとんどで、一部炭素鋼や超硬という場合もありますが、この費用が全体に占める割合は大きくありません。

形状

特殊な形状のものであればあるほど、作るのに手間がかかるため、作業費、技術費用としてコストに跳ね返ってきます。 あまり難度の高いものだと、数個製造して1個だけしか製品に出来ないような歩留まりを想定しているようなものもあり、この場合も当然コストに跳ね返ってきます。

ボンド

ボンドは砥石メーカーのノウハウのうち、その真髄とも言える部分です。この配合比やどのような物質を配合しているかは秘密となっていますが、特殊なボンドの場合、価格に影響する場合があります。

上記がダイヤモンドホイールの価格に直結する主な要素ですが、では実際にいくらくらいなのかという点について述べていきます。

ごく普通のストレートホイール(1A1形状)で、D200(外径200mm)、t寸(ホイールの厚み))が10mm、砥層の厚みが5mm、穴径は31.75mmとします。ダイヤモンドの量を示す集中度は100、ボンドはレジンボンドです。

仕様の表記としては以下のようになります。

SDC 140 L 100B-5.0 1A1 D200xT10xX5xH31.75

これで2万円台だと安い部類になると思います。年間の使用量や、他の購入製品との兼ね合いもあると思いますが、1個〜数個で継続購入ならば3万円台後半〜4万円前半程度がよく目にする価格でしょうか。もちろん、精度は国内の研削盤メーカーでの使用に耐えうるという前提です。

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