プラスチックの黄ばみは研磨で除去可能か

2011年11月9日更新

プラスチック製のものは長い間野外に放置したり、太陽光や風雨にさらされていると、汚れだけでなく、本来透明である材質が黄ばんでしまうことがあります。黄変劣化とも呼ばれるこの現象は、自動車のヘッドライトカバーを見れば一目瞭然で、表面にプラスチックを保護するコーティングを施したり、樹脂そのものに改良を加えて黄ばみにくくしたりなどがされてはいますが、長い時間が経てばどうしても紫外線により劣化してしまうのが樹脂です。最近では、かなり耐侯性に優れている劣化しにくいものも出てきていますが、完全に黄変劣化しないというものは寡聞にして知りません。

結論からいえば、プラスチックのどの程度の深さまで黄ばみが進行しているかによって研磨が通用するかどうかが決まります。一般的には樹脂の黄変はごく表層のみで進行しているため、ヘッドライト研磨用のコンパウンドやそれに近い研磨材で車のヘッドライトなどを磨くと、黄ばみがきれいに取れます。ただ、表面だけでなく、樹脂の内部深くまで黄ばんでしまっている場合は、そこまで削れなければ研磨で除去するということは難しいと言えます。

ちなみに、車のヘッドライトの場合はPC(ポリカーボネート)が良く使われていますが、アルミナ系をベースにした細かい砥粒と相性が良いです。大きな粒度のものを使いすぎると、黄ばみは取れても傷だらけになってしまったり、逆に光やあらぬ方向に乱反射したりすることになるので、細かいものから試したほうがよいでしょう。なお、現在市販されているヘッドライトのほとんどは表面に透明なコーティングが施されています(紫外線から守る等の効果)。プラスチックが黄ばんでいるということは、このコーティングが高い確率で剥がれてしまっているということです。筆者が見た例では、部分的にコーティングが剥がれ、その部分が黄ばんでいるというものが多いように感じられました。

なお、弱いコンパウンド程度では通常コーティングにダメージを与えることはありませんが、この辺は様子を見ながら行ったほうが良いかもしれません。

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