石材の吸水率とは

2011年7月8日更新

石材には目に見えない微細な穴や隙間が表面に開いており、種類によって程度の差はあれど、水を吸う素材です。石材が一定時間内にどれくらいの水を吸うのかを測定した値が吸水率です。

石材を購入しようとするとき、スペック表やカタログにこの吸水率が記載されていることがありますが、この指標は石材の強度や比重とも強い相関のあるパラメータです。端的に言えば、吸水率の低い石材ほど、強度があり、比重も大きくなります。多くの石材は単一の物質から成っておらず、鉱物が長い年月の間に組み合わされて現在の形になっています。したがって、吸水率が低い石種は、石の中身がよく詰まっていて強度が強いということがいえるわけです。構造材として石材の仕様を検討するときは特に参考になる指標の一つです。

また石材の劣化のメカニズムは意外に知られていませんが、水によるものがほとんどです。風化や劣化といった現象は雨風にさらされることで加速されます。古代の遺跡などを見ればわかる通り、現存する物質の中では格段に保存性がよく、長持ちする素材ではありますが、吸水率の低いものほど長く表面の状態を維持できるようです。

大理石と御影石では、吸水率そのものがどちらかがより優れているというわけではありませんが、両者とも数百種類あり、吸水率の低いものはどちらにもあります。建材や墓石等のより耐久性や耐侯性が求められるケースでは御影石(花崗岩)が使われます。加えて、大理石は硬度そのものは御影石に劣り、酸にも弱いという性質があるため、どちらかというと内装や屋内向きです。石種にもよりますが、吸水率の低いものは、0.02%というものもあります。一般には花崗岩(御影石)で0.1〜0.2%程度です。高いものでは、市販されているものでも3%程度になります。吸水率の大きな石材は凍害についても余計に気をつける必要があり、砂岩等もともと吸水しやすい石材は中の水分が凍ることで石材の著しい劣化につながることがあります。

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