ダイヤモンドシャープナーに寿命はありますか。

2010年10月2日更新

砥石である以上、何かを研ぐと自らの表面も削られていくのが砥石の本質的な特徴といえます。砥粒がマトリックス状にまぶしてあるのにそれらが常に加工対象とあたる表面に出ているように見えるのは、砥石の大部分を構成するボンドが削られているからに他なりません。

こうした特徴を持つため、ダイヤモンドシャープナーといえども例外ではなく、時期がきたら取り替える必要があります。砥石の作用面が目詰まりなどでつまっているのでなければ、切れ味低下=ダイヤモンドシャープナーの寿命となります。後述しますが、シャープナーに使われている電着タイプの砥石は目詰まりはしにくいタイプの砥石です。

ダイヤモンドシャープナーには電着ボンドと呼ばれる種類のボンドが使われたダイヤモンド砥石が内部に入っています。これは見た目はシート状の研磨シートの破片のように見えるもので、包丁やナイフを入れる口からはほとんど見えません。懐中電灯で除いてみると、刃を受ける部分が交互に並んでいることがありますが、この表面に研磨剤が貼り付けてあると考えるとわかりやすいかもしれません。

電着は、端的に言えば、メッキ状の金属の膜の上にダイヤモンドをまぶして接着させたものです。実際には電着槽といわれる液槽のなかで電気的に密着させていきます。金属はほとんどがニッケルメッキになります。この技法は、ダイヤモンドがより多く研磨シートの表面から突き出している状態になるため、切れ味を重視する場合に重宝され、ダイヤモンド砥石の中では最もコストも安くなります。

ただ、難点の一つとして、ダイヤモンドが固着している表層が1層しかないため、一般のダイヤモンド砥石のようにダイヤ層が減っていくと、下から次の層が出てくるということはなく、一般家庭用のものであればそれで使い捨てとなります。工業用途の電着砥石であれば、使い切ってしまった場合、残っているダイヤ層・ボンド層を剥離して、新しく張りなおす「再電着」が一般的です。

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