エンドミルの研磨にはどのような砥石が向いていますか。

2010年9月28日更新

エンドミルはメジャーな消耗工具の一つですが、ものによっては値も張るため、なるべく再研磨して使いたいものです。また量をたくさん使う場合も、切れ味や精度低下とともに即廃棄では、加工コストもあわなくなるケースも出てくると思います。こうしたエンドミルは再研磨の専門業者に依頼する場合も多いですが、自社で再研磨そのものまでやる会社もあるかと思います。

エンドミルの材質によって砥石を選ぶ

エンドミルの再研磨には工具研削盤や、小径ドリル研削盤、万能工具研削盤などを使います。使う砥石は、エンドミルの材質に合わせて選ぶのがよいかと思います。一般には、超硬のエンドミル、ハイス鋼(SKH)のエンドミル、サーメット製のエンドミルがよく使われると思います。このうち、ハイスエンドミルの再研磨には、CBN砥石がよくマッチします。

元来、鉄とダイヤモンドの相性が悪く、鉄鋼材料の場合は、よほどの事情がない限りCBN砥石もしくは研削砥石を使ったほうが効率的です。ダイヤモンドは炭素でできており、研磨中、その炭素が鉄側に引っ張られてしまうため、切れ味の極端な低下や摩耗が起きて研削比を下げると言われています。逆に、超硬エンドミルではダイヤモンドを使うほうが効果的です。硬く脆い材質である超硬とダイヤモンドは相性がよく、一般砥粒で削るよりもはるかに能率的と言えます。また、サーメットについても加工する上での性質は、超硬に近いと言えますので、ダイヤモンドが向いています。

ボンドについての考え方

砥粒については前述のとおりですが、ボンドについてはいくつか考え方があります。再研磨業界では割とビトリファイドボンドがよく使われていますが、レジンやメタルが使えないというわけではありません。再研磨は削り代(研磨で落とす体積)が一般の加工に比べると少なく、角度が非常に重要となるため、砥石の形状が維持されるほうが都合がよいという特徴があります。加えて、複数の材料が使われているエンドミルでは同時に違う材質を研磨しなくてはならない場合もあるため、切りくずの排出に優れ目詰まりしにくく、長時間の使用に耐えられるボンドが選ばれている理由の一つです。もっとも、この辺りの考え方は加工される方によっても異なり、ビトが万能というわけでありませんので、耐熱レジンボンドが使われるケースや、メタルボンドを使う場合もないわけではありません。

エンドミルの材質、形状、へたり具合、研削盤とその加工条件等総合的に判断して決めるのがよいと思います。

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